衣類はぎ取られた難民92人、ギリシャとトルコの国境で発見 国連が調査求める
(CNN) ギリシャとトルコの国境地帯で100人近い難民が着衣のない状態で発見されたと伝えられ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が徹底調査を要求した。
UNHCRは16日、「ギリシャとトルコの国境で、92人が衣類をはぎ取られた状態で見つかったという衝撃的な報告と画像に深く心を痛めている」とツイートし、「これほど残酷で屈辱的な扱いを非難し、この問題に関する徹底調査を求める」とした。
トルコとギリシャは互いを非難している。ギリシャの移民亡命相は15日、国境で見つかったとされる92人の一部の写真をツイッターに掲載し、「我々が本日国境で救助した移民92人に対するトルコの行為は、文明にとっての恥だ」としてトルコを非難した。
写真の男性たちが衣類を着けていない理由は不明。
ギリシャ移民亡命相は、トルコ政府がこの問題について調査することを期待すると述べ、欧州連合(EU)との国境を守るよう促した。
ギリシャ警察は15日、「着衣がなく、一部は体にけがをしている不法移民92人」を14日に発見したと発表。ギリシャ警察と欧州国境沿岸警備機関(FRONTEX)が捜査した結果、移民たちはエブロス川を経由して、ディンギーでトルコからギリシャへと押しやられていたことが分かったと付け加えた。
ギリシャ当局は直ちに衣類や食料を提供し、応急処置をしたとしている。
ギリシャ市民保護省は15日、移民たちがトルコ当局の車でエブロス川に連れて行かれ、そこからディンギーに乗ってギリシャ側へ渡ったことが、本人たちの証言から分かったと発表した。
一方、トルコはこの問題への関与を否定。内務副大臣は15日、「(トルコによる)人権侵害の事例がひとつも見つからなかったので、自分たちの残虐行為の画像を、あたかも(トルコが)やったかのようにして暴露しようとした」としてギリシャに反論した。