英仏海峡の移民ボート沈没、英仏間の言葉の応酬が激化
(CNN) 英仏海峡をボートで渡ろうとした移民少なくとも27人が死亡した事故を受け、英国とフランスの指導者の間で言葉の応酬が激しさを増している。移民危機をめぐる緊張が表面化した形だ。
24日に起きた事故では、英国に向かっていたゴムボートがフランス沖で沈没し、移民が溺死(できし)した。英仏海峡における近年最悪規模の人命の喪失となった。
フランス検察によると、死者の内訳は男性17人、女性7人、10代の可能性のある若者が3人。現場に到着したフランスの「海難救助全国協会(SNSM)」の隊員は、妊娠した女性の遺体を目撃したと証言した。
警察が救出作業に使われているカレー港のエリアを封鎖/Kiran Ridley/Getty Images
フランス北部カレーの港湾責任者はCNNに対し、犠牲者の大半はイラク国籍保有者だと語った。クルド人自治区のバルザニ首相は25日、イラクのクルド人も犠牲になったとみられると説明。当局が犠牲者の身元特定を進めているとツイッターで明らかにし、遺族に弔意を示した。
フランスのマクロン大統領と英国のジョンソン首相は、恐ろしい悲劇だとの認識を表明。マクロン氏は、フランスは英仏海峡を墓場にはさせないと述べた。