ポーランド、ロシア領飛び地との間に障壁設置へ
(CNN) ポーランドのブワシュチャク副首相は5日までに、バルト海沿岸部に位置し同国と国境を接するロシア領の飛び地であるカリーニングラード州との間に障壁を暫定的に築き、「警備態勢の強化」を図る考えを明らかにした。
テレビ放送された記者会見で、今回の決定は中東や北アフリカからカリーニングラード州への航空便が増えている事態を受けたとした。構築にはできる限り早く着手するとし、多くの軍兵士も駆り出されるとした。
障壁の高さは2.5メートル、幅は3メートルとし、鋭利な有刺鉄線を3層式に組むとした。副首相はまた、ポーランド側で「動物を防ぐためのフェンスも設ける」と述べた。
カリーニングラード州との国境線の防衛態勢の強化についてはポーランドの与党幹部が最近、対策を講じる考えを公共放送ポルスキー・ラジオ局との会見で表明。
与党「法と正義」のソボレウスキー書記長は、隣国ベラルーシとの国境線で実施している障壁構築など防御態勢の拡充に準じた措置を考慮していると語った。
ロシアがカリーニングラード州を通じアジアやアフリカからの移民・難民をポーランドへ送り込む可能性に関連する質問に答えていた。
法と正義の党員らの間では、ロシアは移民・難民の流出を情報戦など交えた「ハイブリッド戦争」の道具にしかねないとの愛国主義的な議論が広まってもいた。