ポーランド、ロシア領飛び地との国境線防御の強化検討
(CNN) 東欧ポーランドの与党幹部は29日までに、バルト海沿岸部に位置するロシア領の飛び地であるカリーニングラード州と接する国境線で防御態勢の強化を検討していることを明らかにした。
与党「法と正義」のソボレウスキー書記長が公共放送ポルスキー・ラジオ局との会見で述べた。同じく隣接するベラルーシとの国境線で実施している障壁構築など防御態勢の拡充に準じた措置を考慮していると語った。
ロシアがカリーニングラード州を通じアジアやアフリカからの移民・難民をポーランドへ送り込む可能性に関連する質問に答えた。
カリーニングラード州はロシアの西端部の領土で、リトアニアとも国境を接する。ロシアの国営タス通信は今年9月、カリーニングラード州が中東やアジアから新たな旅客機便を受け入れる「オープンスカイ協定」を導入したと報道。
これを受け、法と正義の党員らの間で、ロシアは移民・難民を情報戦などを交えた「ハイブリッド戦争」の道具にしかねないとの愛国主義的な議論が広まってもいた。
ポーランドは昨年、ベラルーシから数万人規模の移民・難民が押し寄せる危機に遭遇し、非常事態を宣言。これら移民らの大半は中東やアジア系で、ベラルーシ側の国境線に数週間立ち往生し、厳しい気候条件のなかで食料不足や医療態勢の不備にあえぐ窮境が国際的な注視を集めてもいた。
西側諸国の指導者は当時、この危機はベラルーシのルカシェンコ大統領が捻出したものであり、同国の人権侵害を理由にした欧州連合(EU)の制裁策の意趣返しだと非難した。