獄中でハンストの活動家が飲み水も拒否、人権団体が警告 エジプト
(CNN) エジプトで収監され、半年以上前からハンガーストライキを続けている英国系の活動家、アラア・アブド・エルファタ氏が6日以降、水を飲むことも拒否し始め、命の危険が迫っているとして、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルがエジプト当局に警告を発した。
アムネスティ・インターナショナルのアニエス・カラマール事務総長は6日、エジプトの首都カイロ近郊のギザでの記者会見で、「時間切れが迫っている」と強調。エジプト当局に対して「命を救うために残されているのは24時間か48時間、最大でも72時間だ」と訴えた。
エジプトが行動を起こさなければ、同国のシャルムエルシェイクで開幕した国連の気候変動会議COP27では、この問題があらゆる協議のテーマになるだろうとも警告。エジプトを含む世界のどこでも、人権が守られなければ気候問題の不公平を正すことはできないと指摘した。
アブド・エルファタ氏は2011年のエジプト革命で民主化運動を率い、9年前から収監されている。19年にはフェイスブックへの投稿で刑務所内の人権侵害に関する「偽ニュース」を流したとして、5年の刑が追加された。ハンストは今年4月2日から続けている。
支援団体によると、同氏は英国生まれの母を持ち、21年に英国籍を獲得して英領事と面会する権利を得たが、エジプト当局はこの権利を認めていない。
英国のスナク首相は6日、COP27での首脳会談でエジプト政府にこの問題を提起すると表明した。アブド・エルファタ氏の姉妹はスナク氏への書簡で、同氏は数日中に解放されなければ、スナク氏のエジプト滞在中に亡くなる可能性が高いと訴えている。