北朝鮮のミサイル実験、米韓の「無謀な軍事ヒステリー」に対抗と位置づけ
ソウル(CNN) 北朝鮮国営メディアは7日、先週実施したミサイル発射の様子とされる画像を公開し、米国とその同盟国の「無謀な軍事ヒステリー」が朝鮮半島を「不安定な衝突」へと突き動かしていると伝えた。
一方で、失敗に終わったとみられる3日の長距離弾道ミサイル(ICBM)発射実験には言及しなかった。
朝鮮中央通信(KCNA)によると、北朝鮮は今月2日~5日にかけて80発以上のミサイルを発射。「敵の合同空軍演習に対抗する意思を示すため」、戦闘員500人が参加して空軍演習を実施した。
この作戦は、米韓が先週この地域で実施した合同軍事演習による「公然の挑発」への直接的な対抗措置だったとしている。米韓合同演習は北朝鮮の相次ぐミサイル実験を受け、1日延長された。
ミサイル発射は「敵の空軍基地」に対する攻撃をシミュレーションし、さまざまな高度や距離で「空中の目標を撃滅する」ために実施したとKCNAは報道。それぞれの日に発射したミサイルの数について総括しているが、どのモデルの実験を行ったのかは明らかにしていない。
3日に発射したミサイルについては、国防科学院の要請で弾道ミサイル実験を行ったと言及するにとどめた。日本や韓国はICBMの実験だったと見ている。
韓国軍合同参謀本部は7日の記者会見で、北朝鮮が発射したのがICBMだったという見方は変わっていないと述べ、同ミサイルは「正常に飛行しなかった」と語った。
さらに、このミサイルは北朝鮮製の「火星15」または「火星17」だった可能性があると述べ、最高高度は2000キロに届かず、最高速度はおよそマッハ15(音速の15倍)だったと指摘した。専門家によると、ICBMを大気圏に到達させるためにはマッハ20以上の速度を必要とする。