ウクライナ、ハンガリー首相に謝罪要求 西部地域の自国領扱いで
(CNN) ウクライナ政府は24日までに、隣国ハンガリーのオルバン首相がウクライナ西部の一部地域がハンガリー領であるかのような地図があしらわれたマフラーを着用していることに抗議、謝罪を要求した。
ウクライナ外務省はハンガリー大使を呼び出し、経緯などの説明を求めた。声明によると、「公の場でオルバン首相がこのようなマフラーを身に着けることは容認できない」と大使に苦言を呈したとした。
マフラー姿のオルバン氏の写真は最近実施されたギリシャ対ハンガリーのサッカーの「親善」あるいは非公式扱いとする試合で撮影されたもので、首相自身のSNSに載せられていた。
ウクライナ外務省の報道担当者は、オルバン首相の行動は両国の良き隣国関係の発展に寄与しないと指摘。ウクライナ政府は謝罪を期待すると共に、ハンガリー側が今後、ウクライナの領土保全に敬意を示さない措置を控えることを望むとした。
オルバン首相が使ったマフラーの地図は、かつてのオーストリア・ハンガリー帝国時代により広範な領土を有していたハンガリーを描いたものとみられる。同帝国は第1次世界大戦で敗北したが、その領土にはルーマニア、スロバキア、セルビア、オーストリア、クロアチアとスロベニアの一部も含まれていた。
欧州連合(EU)の欧州議会のルーマニア人議員は無責任な行動とオルバン氏をSNS上で批判。「プーチン(大統領)と同じ修正主義者的な振る舞いであり、制裁の対象にし欧州議会ではEU指導者が同首相を孤立させるべきだ」とも弾劾(だんがい)した。