バフムートに留まった男性、友人と右腕、生活の糧を失う
ロシア軍による度重なるエネルギー供給網への攻撃のため、コンスタンチノフカの病院の医療スタッフらは停電や水不足の中での業務を余儀なくされた。先週は1日8時間発電機を動かし、照明や暖房を維持しなくてはならなかった。
医師のユーリ・ミシャスティーさん(62)によると、爆弾の金属片で負傷した人が連日運び込まれてくるという。
ロシア軍がバフムート制圧作戦を強化する中、爆撃はこれまでにないほどコンスタンチノフカへ近づいている。同市はバフムートの西25キロに位置し、今月に入ってからはほぼ毎日爆撃に見舞われているという。
地元当局は市民らに対し数カ月の間当該地域を離れるよう要請しているが、タラソフさんをはじめとする多くの住民らはそれを不可能なことと捉えている。
「大金があるなら、外国ででも暮らすだろう」「しかし金はないし、これまでの蓄えは全てここでの生活につぎ込んできた。金もなければ行くところもない」と、タラソフさんは話す。
バフムートにとどまることは、残された本来の生活にしがみつくことに他ならなかった。侵攻前は建築業者として懸命に働いてきたタラソフさんだったが、その人生は今や一変し、もう元には戻らない。
「右利きだったが、今はメジャーを使うことさえできない」「半分は人間で、半分はゾンビだ。正確に言うなら、人間なのは半分だけだ」(タラソフさん)