プーチン氏、ウクライナの併合4州での「極めて複雑な状況」認める
(CNN) ロシアがウクライナに侵攻して9カ月が過ぎ、ロシアのプーチン大統領は不法に併合を試みたウクライナの東部と南部の4州の状況が「極めて複雑」であることを認めた。ロシア政府が4州で直面している困難に言及した発言はまれ。
ロシア大統領府が20日公開した治安当局者の休日を記念した演説動画で、プーチン氏は治安当局がウクライナのルハンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソンの4州で直面している「困難な任務」に言及した。ロシアは9月に偽の住民投票を実施し、その後4州の併合を発表した。この住民投票についてウクライナ政府や西側諸国は国際法に反すると非難した。
ロシアはこれら4州で初めから苦戦していた。4州の併合の承認をした時点でロシア政府は4州を完全に支配していなかった。ヘルソン州では違法な併合のわずか数週間後にウクライナは州都ヘルソン市を奪還した。ウクライナ軍は約1万平方キロメートルの領土をロシア軍から解放し、西側諸国が提供した大砲を南部クリミアが射程距離に入るところにまで進めた。
プーチン氏はロシア支配下の領土に住む人々を保護する重要性を主張し、治安当局に「人々の安全と、人権や自由の尊重を確保するためにあらゆる措置を取る」よう求めた。プーチン氏はまた、部隊への「現代的な装備や武器と経験豊富な人員」の配備を約束した。
さらにプーチン氏は治安当局に対して「裏切り者、スパイ、妨害者」の取り締まりを強化するために「最大の準備」と「専念」を呼び掛け、ロシア政府が現在ウクライナだけでなくロシア国内でも懸念を抱えていることをうかがわせた。