15歳少年の失踪に国中が注目、遺体発見も新たな疑問噴出 中国
中国で子どもや10代の少年少女が行方不明になるのは珍しいことではないが、胡さんの失踪は近年で最も注目を集めるケースの一つとなった。北京に拠点を置く非営利組織、中民社会救助研究院によれば、中国では2020年に100万人が行方不明になった。毎日平均2739人が失踪した計算になるという。
国内のソーシャルメディア上には、至る所に監視カメラやハイテク機器があることで知られる中国で、15歳の少年が何の痕跡も残さず消えたとみられることに対して疑問の声が上がる。
鉛山県にある私立の寄宿学校で9月から学び始めた胡さんは、10月14日の夕暮れ時、寮の廊下を歩いているところを監視カメラで撮られて以降姿を消した。警察によると、夜間の授業が始まるおよそ15分前の時間帯だったという。
胡さんの行方が分からなくなったのは寮と教室のある建物との間の区域で、そこに監視カメラはない。国営メディアが報じた。
胡さんの失踪の通知によると、胡さんは自分のスマートウォッチと現金を寮に残し、デジタルのボイスレコーダーと食事の支払いに使う学校のカードだけを持っていたという。
警察は今月7日、詳細な声明を出し、胡さんが殺害された、もしくは校内で事故に巻き込まれた証拠はなく、1人で学校を出た公算が大きいと明らかにしていた。
人民日報のウェブサイトは29日、論説記事の中で地元当局に対し、一般市民の懸念に対応するよう求めた。その中には胡さんの遺体を100日以上見つけられなかった理由も含まれる。
一方で市民に対しては今後も公式の結果を待つよう促し、いかなる捏造(ねつぞう)も行ってはならないと警告した。
30日、携帯電話では胡さんの両親に連絡がつかなかった。