ロシアが気球を「偽の標的」に利用、キーウに空襲警報 ウクライナ空軍
(CNN) ウクライナ空軍司令部のイーナット報道官は15日、「偽の標的」としてロシアが使っている気球により、ウクライナの首都キーウ(キエフ)で空襲警報が発令されたと明らかにした。
イーナット氏は「ロシア軍は偽の標的として気球を使い、防空をそちらにひきつけようとしている。弾薬の点でも、注意をそらす点でも我々の防空能力を枯渇させようとしている」と放映されたインタビューで述べた。
これより前にキーウ市軍政当局は「市上空で敵の標的が検知された」とSNS「テレグラム」に書き込み、ロシア軍の攻撃に防空システムが対応していると明らかにした。
イーナット氏は「敵は古い手を使っている。探査装置でもなければ、軽航空機でもない。わずかな鉄鋼を載せたただの気球だ。単なる気球に強力な手段で対抗する者はいない」と述べた。同氏によると、ロシア軍は12日と14日にも気球を使ったという。
キーウ市軍政当局によると、15日にはキーウ上空で6つのロシアの気球が確認され、その「ほとんど」が撃墜された。
キーウ市軍政当局は「気球は風に乗って漂っていた」とテレグラムに書き、偵察装置を搭載していた可能性もあると付け加えた。また「気球の目的はウクライナ軍の防空を見つけ出し、消耗させることだった」とも述べた。
ロシアの気球は「他の国の領空にも入り」、モルドバは14日に領空を閉鎖したとイーナット氏は主張した。CNNはそうした主張を独自に確認できていない。
CNNは14日、モルドバの領空が一時閉鎖され、その後再開されたと報じた。同国の民間航空局は「民間航空の安全を確保するため」領空を閉鎖したと述べたが、その後再開した。