前線兵士、「砲弾不足の実情」明かし供給求める ウクライナ
(CNN) ロシアの侵攻に抗戦するウクライナの領土防衛隊の兵士は19日までに、前線の現状に触れ、より多くの武器弾薬を必要とし、十分な砲弾の確保に事欠く事態も生じていることを認めた。
前線で戦う第109領土防衛隊旅団に所属するイェホル・フィルソフ氏が17日夜、ウクライナの全国向けテレビ番組で述べた。同氏はウクライナ国会の元議員。
「我々が必要としているのは砲弾しかない。もう一度繰り返すが砲弾だ」とし、「あえて言えば、十分な量が手元にない時もある」と明かした。「前線で必要なのはまず第一に兵器だ」と改めて強調した。
ウクライナの後方支援態勢は侵攻が始まった初期の段階以降、改善されたとしながらも、常により多くの武器の消耗があると指摘。「砲門や戦車の支援や出動がなく、歩兵を守るすべがないのなら、歩兵にとっては極めて困難な戦況になる」とし、「武器の保持は多ければ多いほど良い」と訴えた。
前線に配される兵士たちが襲われている疲労感による影響にも言及。「常時張り詰めた状態にある」とした。
ここ数カ月間、敵による波状攻撃があったともし、一部の戦場では歩兵の突撃を含め相当な規模の攻勢があったと述べた。別の戦場では圧力がいくぶん緩和したものの、多連装ロケットシステム(MLRS)や戦車、迫撃砲など全ての兵器を駆り出しての敵の攻撃は継続していると主張。
「連日、時には1時間ごとに起きている」とし、「この中で同僚の兵士たちは心理的な打撃にさらされている」と続けた。
「多くの戦闘員たちは疲労感のようなものに襲われており、これは避けられないことだ」としながらも、「1週間の毎日24時間、任務を遂行し続ければ疲労感もたまる」と締めくくった。
ドイツで18日に開かれたミュンヘン安全保障会議では、ウクライナ側に立つスナク英首相など各国首脳らが武器弾薬面を含めた同国への支援強化を促した。