ロシア軍、ウクライナの貯水池破壊か 100万人の飲料水危機
(CNN) ウクライナのストリレツ環境相は17日、ロシア軍がウクライナ南東部にある貯水池で水を漏らすなどの破壊工作を進めており、100万人以上の周辺住民が飲料水を確保できなくなる恐れが生じていると報告した。
首都キーウでの記者会見で述べた。現場はカホウカ水力発電所で、同国のシュミハリ首相も14日、ロシア軍は水門を損壊して故意の開門を仕掛けていると非難していた。
ストリレツ氏によると、カホウカ貯水池の水位は激減し、13.83メートルに低下。平均的な水位は16メートルとし、12メートル以下に落ち込んだ場合、住民の生活に大きな打撃を与えるとした。
また、中南部ザポリージャ州のザポリージャ原子力発電所の原子炉の冷却機能に支障を及ぼしかねないとも警戒した。
ロシア軍は厳寒の数カ月を迎え、市民の日常生活に直接響くインフラへの攻撃を増やしている。昨年12月にはエネルギー供給網への執拗(しつよう)な攻撃で一時的に住民数百万人に電気が届かない窮境に陥った。熱源や飲料水も確保できず、他の重要なサービスの提供にも事欠く事態となっていた。
11月にはウクライナの州立病院では最大規模の一つで、ロシア軍の空爆で給水が止まり、一部の患者の転院を迫られる寸前にまで追い込まれてもいた。