アニメに感化された10代ギャング、モスクワに出現 ウクライナは「輸出」非難
(CNN) ウクライナ当局は3日までに、日本のアニメに感化されて路上で暴れる10代のギャングの輸出を図っているとして、ロシアを非難した。
これらのギャングは「リョダンPMC」と呼ばれる。日本のアニメに登場する「旅団」と民間軍事会社(PMC)の略語を組み合わせた名称だ。
リョダンはサッカーファンのギャング集団に対抗する10代の受け皿として、ロシアの首都モスクワで誕生したとみられる。10代の少年がSNSテレグラムを通じて組織化し、指定の場所に突如現れる。
最近の動画には、モスクワのショッピングモールで起きた乱闘の様子が捉えられているほか、ロシアの通信会社もモスクワの地下鉄駅でけんか騒ぎが起きたと伝えた。
ウクライナでも先週、複数の都市の街路にリョダンを名乗るギャングが出現し、既に手一杯の警察はさらなる対応を迫られた。10代の集団は首都キーウ(キエフ)やリビウ、ハルキウで集結。ドニプロではリーダー格とされる16歳が拘束された。
リョダンの支持者はクモの絵柄と数字の4を組み合わせた独特のモチーフの服を着用する。これは日本のアニメ「HUNTER×HUNTER」に由来するもので、リョダンの名称も同アニメに登場する盗賊集団「幻影旅団」から命名された。SNSの動画や画像を見ると、ロシアのリョダン構成員は黒のフードやチェックの柄のズボンを好んで着用している。
ロシア当局はリョダンの出現を認めている。国営RIAノーボスチ通信は、リョダンに関わったとして未成年者319人を含む350人あまりがモスクワの警察署に連行されたと報道。治安当局筋の話として、ガスカートリッジや刃物が押収されたと伝えた。
ノーボスチ通信によると、カザンやサンクトペテルブルク、ノボシビルスクでも「リョダン・サブカルチャー」の支持者が拘束されたという。
リョダンの台頭についてはロシア大統領府も言及しており、ペスコフ報道官は先月28日、「違法活動」を止めることが重要との見解を示した。
ただ、ウクライナの国家警察は、ロシアがテレグラムの偽情報工作を通じてウクライナの若者にリョダンの悪影響を広めようと試みていると主張する。
警察は28日、テレグラム上のチャンネルやグループを18件ブロックしたと発表。「ロシア軍の情報工作を行い、ウクライナ国内の状況を損ない、未成年者を違法活動に巻き込むために創設された」ものだとの認識を示した。
ウクライナ警察によると、若者が集まる事案が国内各地で2日間に約30件発生。法執行当局が直ちに対応し、少年同士の衝突を未然に防いたとしている。