仏憲法評議会、不人気な年金支給開始年齢引き上げを支持
パリ(CNN) フランスの最高裁に相当する憲法評議会は14日、年金の支給開始年齢を2歳引き上げて64歳とする政府の不人気な計画を支持する判断を下した。マクロン大統領にとって大きな勝利となる。同大統領は計画に反対する全国規模の大掛かりな抗議行動に直面している。
憲法評議会は新法の一部の要素について無効としたものの、最も物議を醸す要素はそのまま残された。年金の支給開始年齢を徐々に引き上げる内容がこれに当たる。
フランスにおいて年金改革は常に慎重な扱いを必要とする問題だが、この数カ月は一段とその傾向が強まっている。背景には生活費の高騰に伴って膨れ上がる社会の不満がある。
マクロン氏の掲げる年金改革を巡っては今年に入り、フランス全土で大規模な抗議行動が発生。主要な公共サービスが麻痺(まひ)する事態となっている。警察とデモ参加者との暴力的な衝突も起きている。
憲法評議会は7時間の審議を経て最終的に年金改革を支持。勝利する形となったマクロン氏だが政治的な代償は大きく、本人の支持率は史上最低水準に落ち込んでいる。
憲法評議会は、改革の是非を問う国民投票の実施を求める野党議員の最初の要請も退けた。13日に出された2度目の要請は依然として検討中だ。