友好の象徴から敵対の象徴に 米動物園のパンダ、中国に帰国
(CNN) ジャイアントパンダの「ヤーヤー」が中国から米国に到着した2003年、テネシー州のメンフィス国際空港には数百人が詰めかけ、北京からの親善大使を拍手と歓声で出迎えた。
中国が米国の支持を得て世界貿易機関(WTO)加盟を果たした2年後、米中関係は絶頂期にあり、両国は経済からテロ対策に至るまで、あらゆる分野で交流を深めていた。
中国のジャイアントパンダを歓迎するニクソン元米大統領夫人(右)=1972年4月20日、米ワシントンの国立動物園/AP
あれから20年。26日に米国を離れて中国への帰途についたヤーヤーは、世界の超大国2国間の関係悪化の象徴となった。
ヤーヤーに別れを告げるため動物園には何百人もの人々が訪れた=8日、米テネシー州・メンフィス動物園/Karen Pulfer Focht/AP
中国国営メディアによると、ヤーヤーは16時間の飛行を経て27日、フェデックスの専用機「パンダエクスプレス」で上海に到着した。
中国ではほぼ3カ月にわたり、メンフィス動物園のヤーヤーに対する扱いをめぐって激しい論議が巻き起こっていた。この出来事は、米中間の対立の激しさを見せつけた。