友好の象徴から敵対の象徴に 米動物園のパンダ、中国に帰国
22歳になったヤーヤーに、丸々としてフワフワだった若いころの面影はなかった。最近の写真では見るからにやせ、ところどころ毛が抜けていた。
中国ではヤーヤーの状態にショックを受け、悲しむ人も多かった。適切な世話や治療が行われていないという意見もあったが、メンフィス動物園は何度も否定している。
ヤーヤーは20年の貸与期間が終了し、つがいのオスの「ローロー」と共に今年中国に返還される予定だった。しかしローローが今年2月、心疾患のため突然死したことで、不信感に一層火が付いた。
中国の「パンダ外交」の一環として、2頭は友好の証しになるはずだった。しかし中国国家主義派はヤーヤーを「アメリカの中国に対するいじめと抑圧」の象徴とみなした。
「我が国の財産をあんな態度で扱うとは、中国に対するあからさまな挑発だ」と大手SNSの微博(ウェイボー)に書き込むユーザーもいた。