ロシア軍機、シリアで米軍機に「空中戦」の挑発行為

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米空母「ハリー・S・トルーマン」の甲板に駐機するF18戦闘機=2018年5月、地中海東部/Aris Messinis/AFP/Getty Images/FILE

米空母「ハリー・S・トルーマン」の甲板に駐機するF18戦闘機=2018年5月、地中海東部/Aris Messinis/AFP/Getty Images/FILE

(CNN) 中東などを担当する米中央軍の報道担当者は30日までに、シリア上空でロシア軍戦闘機による米軍戦闘機への威嚇の度合いなどを強める飛行が最近目立ち、近接距離での「空中戦」を仕掛けるような行為も複数回あったと報告した。

米政府当局者はCNNの取材に、米軍機の撃墜を狙った行動とはみられないとしながらも、「我々を挑発し国際的なもめ事へ引きずり込もうとしている可能性がある」と指摘した。

米中央軍はロシア軍機によるこの種の飛行をとらえた二つのビデオ映像も公開。今月18日の映像には、ロシア戦闘機がシリア上空に米国を含む連合国が設定した空域に入り込み、米機に2000フィート(約610メートル)以内まで近づく様子が収められていた。

ロシアは内戦状態にあるシリアでアサド政権の後ろ盾となっており、軍事介入もしている。米国は過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討を理由に兵士約900人をシリア内に展開させている。

米国は過去数年間、シリアでロシア軍との間に衝突回避の境界線を設置し、不測の事態につながりかねない偶発的な遭遇などを防止してきた。

米政府当局者によると、ロシア軍機による最近の危険な飛行を受けロシア側と接触した。ただ、ロシア側は対応したものの、この種の事例の発生を認めることは一切なかったという。

ロシア軍機は今年3月以降、衝突回避の手順を計85回踏みにじり、連合国の基地への過度の接近などを行ってきたとした。兵器搭載のロシア軍機は26回にわたり、シリア内の米国や連合国の拠点上空に飛来したともいう。

米政府当局者は、ロシア軍機によるこれらの振る舞いは作戦遂行上の新たな方途に準じたものとみられると説明。米軍機のパイロットはロシア軍機による空中戦の挑発には応ぜず、衝突回避の手続きを守っているとした。

ロシア軍機によるより攻撃的な飛行はシリア国外でも起きている。今年3月には黒海上の国際空域でロシアのスホイ27型戦闘機と米軍の無人偵察機MQ9「リーパー」が衝突し、無人機が墜落していた。米側は同戦闘機の無謀なまでの接近飛行を非難していた。

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