サイクロンで甚大な被害のミャンマー、軍事政権に阻まれ支援届かず
国連のミャンマー人権状況に関するトム・アンドリュース特別報告者は、人道支援関係者が渡航許可を得る必要があり、サイクロン対応の妨げになっていると指摘。「軍事政権の渡航許可が得られず、多くの機関が援助物質の配送どころか、ニーズ調査さえできていないようだ。極めて憂慮される」とした。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ラカイン州の被災地に入って人道状況の全容把握を目的とした現地調査を開始するため、軍事政権の許可を待っているという。
難民キャンプでポンプから水をくむ少女=16日、ミャンマー西部シットウェ/Sai Aung Main/AFP/Getty Images
ラカイン州と北東部では約540万人がサイクロンの直撃を受けたと推定され、うち300万人以上は最も脆弱(ぜいじゃく)な層だった。
サイクロン「モカ」の影響を受けた家屋の中に立つロヒンギャの女性=16日、ミャンマー西部シットウェ/Sai Aung Main/AFP/Getty Images
資金不足も深刻な状況にある。7億6400万ドル(約1000億円)の人道支援計画の資金は10%にも届いていない。