ワグネル、第三国経由でウクライナ用の兵器調達 偽装工作も
(CNN) ロシアの民間軍事企業「ワグネル」がウクライナで使う軍装備品を確保するためアフリカ北西部マリを含む第三国で、輸出関連書類の偽装工作なども交えて調達を進めていることが27日までにわかった。
CNNの取材に応じた米政府当局者が明らかにした。機密指定が最近解除された諜報(ちょうほう)の内容に基づく。ワグネルによる不正工作を通じたマリでの兵器入手の実態はバイデン政権にも伝えられたという。
ワグネルはマリで大きな地歩を固めているとされる。ただ、ワグネルがこれら装備品を思惑通り確保したことを示す兆候はまだ把握していないとした。ワグネルがマリの接触先に求めていたのは地雷、ドローン(無人機)、レーダーや対砲兵レーダーなどとした。
当局者は「我々は注意深く監視を続けている」とも述べた。
ワグネルは近年、アフリカ大陸への進出を拡大し、マリでは1年以上にわたって地元の軍と協力し反政府勢力のイスラム過激派の掃討に加担している。ロシアのラブロフ外相は2021年9月、マリ政府は治安対策でロシアの民間軍事企業を雇う方針を示していた。
米政府当局者によると、ウクライナ戦争に戦闘員を送り込むワグネルが兵器調達などで頼みにする外国はマリだけではない。ウクライナ東部の激戦地バフムートの攻防戦で前面に立つともされるワグネル部隊は武器弾薬の大幅な欠乏に直面しているともされる。
SNS上に最近流出し、CNNも入手した一連の米機密情報によると、ワグネル関係者は今年2月初旬、「トルコの接触先」を通じウクライナ戦争用の兵器や弾薬の入手を図った。ワグネルはこのルートで得た兵器をマリでの作戦につぎ込むことも考えている可能性があったともした。
米ホワイトハウスは以前、ウクライナ戦争に関連しワグネルは北朝鮮からミサイルやロケット弾の提供を受けていると非難したこともあった。