ダム破壊は「環境への大量破壊爆弾」とゼレンスキー氏
(CNN) ウクライナ南部ヘルソン州にあるカホウカ発電所のダムが決壊したことについて、同国のゼレンスキー大統領はロシアの責任を追及し、環境に対する大量破壊爆弾だと非難した。
ダムは6日未明に決壊した。浸水地域の水位は7日も上がり続け、住民1400人あまりが避難を強いられた。
ウクライナとロシアは互いに具体的な証拠を示さないまま、相手の仕業だと主張している。ダムが意図的な攻撃を受けたのか、構造的な欠陥で決壊したのかは分かっていない。
だがゼレンスキー氏は、ロシアに刑事責任があると断言し、ウクライナの検察がエコサイド(大規模環境破壊)として捜査していると説明。今後1週間のうちに水が引けば、「何が残り次に何が起きるか」が明らかになるだろうと述べた。
発電所からドニエプル川にオイルが漏れ、野生生物、農地、集落や水道水に影響が及ぶ事態も懸念されている。
発電所を運営するウクライナの電気事業者、ウクルハイドロエネルゴの責任者はCNNとのインタビューで、決壊による環境への影響は大きいだろうと述べ、破損した装置などからオイルが漏れている可能性を指摘した。
ノバカホウカの水力発電所は6日に決壊した。損傷により洪水が発生し、下流の住民が避難する事態となっている。上流に位置するザポリージャ原発は冷却水を同ダムの水に頼っている。ダムの水位は低下しつつあるものの、当局者は状況は制御下にあると説明する。ロシアに2014年に併合されたクリミア半島も飲み水を同ダムに依存しているが、クリミアの当局者によれば、水供給が脅かされる状況にはないという(地図の赤い地域はロシアの支配下にあると推定される地域)