ダム決壊、開戦以降で最大の民間インフラへの被害 国連
(CNN) 国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は、ウクライナ南部ヘルソン州でダムが決壊したことについて、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降で、民間のインフラに対する被害としては最も重大な事案となる可能性があると述べた。
グリフィス氏によれば、ダムは、ヘルソン州をはじめ、ドニプロ州やザポリージャ州などの数百万人にとって重要な水源となっている。ヘルソン州やクリミア半島では農業用水として使われ、農業や食料の生産に影響が出るという。
グリフィス氏によれば、人道支援組織が依然として近づくことが難しいロシアの占領下にある地域では深刻な影響が予想されるという。
グリフィス氏は、高速で移動する水がもたらす地雷や爆発物の汚染の危険性にも言及した。これまでは安全とされていた地域に地雷や爆発物が移動するという。
グリフィス氏はまた、ダムの決壊が発電量やザポリージャ原発の安全性に与える影響を指摘した。
グリフィス氏は、ダムの決壊による被害は、すでに戦争で苦しんでいる人々にとって生活が耐えがたいほど困難になることを意味していると指摘。洪水の被害を受けた数百万人に支援を届けることができないと、その結果は破滅的なものとなる可能性があるとの見方を示した。