ウクライナ反攻、開始の兆候 東部で戦闘が大幅に増加
(CNN) 欧米の当局者が、ウクライナによるロシアへの大規模な反転攻勢について、始まった兆候を目撃していると考えていることが分かった。北大西洋条約機構(NATO)当局者が6日、明らかにした。ウクライナ軍がロシア軍の防衛線の弱点を探っており、過去48時間の間に東部での戦闘が大幅に増加しているという。
「形成」作戦とも呼ばれる初期の攻撃は少なくとも2週間前から行われていたが、ウクライナ軍はこの数日、砲撃や地上攻撃でロシアの陣地を試し、突破が可能な脆弱(ぜいじゃく)な地域を見つけ始めたという。NATO当局者や欧州の情報当局者がCNNに明らかにした。
ウクライナ南部のロシア軍の占領下にあるダムが破壊され、洪水によって避難が始まったことで、ウクライナ側の計画の一部が複雑になる可能性があるという。
西側の当局者によれば、ダムの決壊によって、ウクライナ軍がドニプロ川を渡ってロシア軍の陣地を攻撃することが、より困難になる可能性がある。また、ダムの決壊によって、ウクライナ政府が対応して、人的・物的資源を投入する必要がある人道的な課題がすでに発生している。
米国に駐在している欧州の大使は、ダムの下流で計画していた作戦をすべて練り直さなければならない可能性があるとの見方を示した。最終的に水は引くものの、壊滅的な洪水が橋や道路に影響を与えており、以前の計画通りには使用できない可能性があるという。
西側諸国の情報機関はダム破壊の実行犯が誰なのか調べているものの、ロシアによるものとの見方に傾いているという。
NATO当局者によれば、専門家はここ数日、ザポリージャ州の南東部や、南部のヘルソン市とザポリージャ原発の間で、ウクライナ軍によるいくつかの顕著な軍事行動や探査の動きを目撃している。ウクライナ軍は、ドネツク市の南側でも軍事行動を行っており、これは新たな試みに見えるという。
米軍高官によれば、反攻作戦は複数の前線で実行される見通し。同高官は、大規模な地上戦を開始する前に「同期させなければならない多くの可動部品がある」と説明した。天候も影響を与えており、ロシアの防衛線に対するウクライナ軍の初期の攻撃が遅れている。