ウクライナ軍、クリミア結ぶ橋攻撃か ロシア軍の補給に影響も
(CNN) ウクライナ南部のヘルソン州と、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミアを結ぶチョンハル橋に22日、ミサイルが命中した。ロシア国営RIAノーボスチ通信がロシアの調査委員会の代表の話として伝えた。
同通信によると、調査委の代表は「予備データから、正体不明のミサイル4発の飛来が示されている。現場検証でミサイルの一部が回収され、そのうちの1つにミサイルがフランスで製造されたことを示すプレートがある」と述べた。ミサイル4発のうち1発が橋に命中したという。
ロシアが任命したヘルソン州のサルド知事は、橋はミサイル「ストーム・シャドー」で攻撃された可能性があると指摘した。ストーム・シャドーは英仏が共同開発したステルス能力を持つ長距離巡航ミサイルだ。
サルド氏は「他にも往来できる道路はある。もちろん、これまでより少し時間がかかるなど車での移動は難しくなる」とも述べた。
ウクライナの前国防相アンドリー・ザゴロドニュク氏は同日、クリミアからヘルソン州に出る陸路はチョンハル橋とペレコプの道路の2つだとCNNに説明。その上で、「チョンハル橋はロシア軍が軍隊や弾薬、装備をザポリージャ州方面からクリミアに移動させたり、またクリミアから運び出したりするのに重要だ」と指摘した。
ザゴロドニュク氏によると、ロシアにとってクリミアはウクライナ南部に展開する部隊への作戦支援で鍵を握る物流拠点。橋が失われたり損傷を受けたりした場合、あるいは砲撃にさらされる場合、南部でのあらゆる軍事作戦にとって大打撃になるという。
クリミアのルカシェンコ運輸相は地元メディアに、橋の「完全復旧」には数週間もかからないとの見通しを示した。