ロシア下院がワグネル規制法案を検討 プリゴジン氏の今後も不透明
(CNN) ロシアの民間軍事会社ワグネルの武装蜂起を受け、ロシア下院は同社に対する規制法案を検討していることが分かった。ワグネル自体に加え、反乱を率いた創設者エフゲニー・プリゴジン氏の行方についても臆測が飛び交っている。
ロシア下院のカルタポロフ国防委員長は25日、国内経済紙ベドモスチとのインタビューでワグネル規制法案に言及。同社の今後の扱いはまだ決まっていないが、禁止する必要はないとの見方を示し、問題があるのは戦闘員でなく指導者だと述べた。
プリゴジン氏はルカシェンコ・ベラルーシ大統領の仲介でモスクワへの進軍中止に同意したと伝えられた後、24日夜にロシア南部の軍本部から出たのを最後に、姿を見せていない。交渉の内容について、本人からの確認はなかった。
ベラルーシの通信社は25日、ルカシェンコ氏が同日午前に再びプーチン・ロシア大統領と電話で会談したと伝えた。
ロシア当局はプリゴジン氏がベラルーシへ送られると発表したが、ベラルーシ当局者らはCNNに、同国での処遇の詳細は分からないと話し、すでに入国したかどうかも確認しなかった。
一方バイデン米大統領は、ワグネルの反乱を巡って仏独英の首脳と電話で会談。プーチン氏は欧米による干渉だと主張することが予想されるが、その説に信ぴょう性を与えてはならないと強調した。
米情報機関は、プリゴジン氏がロシア軍に挑戦する計画を事前に把握していたとされる。だが米当局者の1人は、ワグネルの進軍に対するロシア軍の脆弱(ぜいじゃく)さは予想外だったと話す。同当局者はさらに、進軍中止の合意が予想外に早く成立したとも指摘した。米当局は当初、モスクワ決戦などで多大な暴力と流血が起きることを想定していたという。