トルコ、スウェーデンのNATO加盟に同意 事務総長が発表
(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日、トルコがスウェーデンのNATO加盟を支持することに同意したと明らかにした。11~12日に開かれるNATO首脳会議を前に、大きな進展が生まれた。
今回の発表はトルコのエルドアン大統領にとって大きな方針転換となる。エルドアン氏は同日、スウェーデンのNATO加盟が可能になるのはトルコの欧州連合(EU)入りが認められた後だと示唆したほか、様々な懸念を理由に1年以上にわたってスウェーデンのNATO加盟に反対していた。
ストルテンベルグ氏はリトアニアの首都ビリニュスでエルドアン氏やスウェーデンのクリステション首相と会談した後、記者会見に臨み、エルドアン氏が「できるだけ早く加盟議定書をトルコ議会に送り、批准を確実にするため議会と緊密に協力することに同意した」と述べた。
エルドアン氏が反対を取り下げたことは大きな前進だが、スウェーデンが直ちに次のNATO加盟国になるわけではない。エルドアン氏がトルコ議会に加盟議定書を送る時期について、ストルテンベルグ氏は具体的な日程を示さなかった。議定書の送付後、トルコ議会は承認投票を実施する必要がある。
トルコ政府は何カ月にもわたってスウェーデンの加盟に反対し、様々な要求を突きつけてきた。トルコはスウェーデンについて、「クルディスタン労働者党」(PKK)などテロ組織に指定されるクルド人組織の活動を容認していると主張。イスラム教の聖典コーランの焼却などイスラム嫌悪を示すデモに加担しているとも批判した。
ストルテンベルグ氏は10日の記者会見で、スウェーデン、トルコ両国は「トルコの正当な安全保障上の懸念に対処するため緊密に協力した」と説明。その一環として、スウェーデンが改憲や法律の改定、PKKに対するテロ対策の協力拡大、トルコへの武器輸出の再開といった措置を取ったことに言及した。