中国、動静不明の秦剛外相を解任 後任には外交トップの王毅氏
(CNN) 中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は25日、長く公の場に姿を見せていなかった秦剛(チンカン)外相(57)を解任し、前任で中国外交トップの王毅(ワンイー)共産党政治局員を再度外相に任命すると発表した。
秦氏は先月25日を最後に公の場に姿を見せなくなり、さまざまな臆測が飛び交っていた。解任の理由は明らかにされていない。
25日夕方までに、秦氏のプロフィルは外務省のウェブサイトから削除され、顔写真とメッセージが掲載されていたページは「情報更新中」となっている。
生え抜きの外交官で習近平(シーチンピン)国家主席が信頼する側近の秦氏は、駐米中国大使を経て昨年12月に外相に就任したばかりだった。
後任の王氏は2013〜22年に外相を務めた。
秦氏の解任は、今年初めに中国が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)による孤立から脱却し、他国との緊張した関係を修復しようと外交が活発に展開されている中でのものだ。
秦氏は先月18日に北京を訪問したブリンケン米国務長官と会談するなど、米中関係の安定化に向けて重要な役割を果たしていた。その後、ロシアのルデンコ外務次官と並んで笑顔で歩く姿が目撃されたのを最後に、公の場に姿を見せなくなった。
秦氏が今月初めに外交の会合を欠席した際、外務省報道官は「健康上の理由」と説明した。だが、この文言は後に同省のウェブサイトに掲載された定例会見の公式記録から欠落していた。翌週、質問を受けた報道官は「提供できる情報はない」と答えた。