ウクライナ、クリスマスを12月25日に変更 ロシアと距離
(CNN) ウクライナでこのほど、クリスマスの祝日を、ロシアと同じ従来の1月7日から12月25日に変更する法案が成立した。
法案は今月国会で可決され、ゼレンスキー大統領が28日に署名した。
提案した議員らは、この法案を可決することで、ロシアから押し付けられた伝統を放棄し、国民が自分たちらしく暮らせるようになると主張していた。
ウクライナとロシアはともにキリスト教の正教会の信者が多数を占めてきた。正教会が採用するユリウス暦(旧暦)の12月25日は新暦で1月7日にあたることから、この日にクリスマスを祝っていた。
しかしウクライナでは、2014年に南部クリミア半島がロシアに併合され、東部ドンバス地方で親ロシア派が武装蜂起してから、正教徒の多くがロシアに反発。ロシア正教会の最高指導者キリル総主教がウクライナ侵攻を全面的に支持したことで、この反発はさらに強まった。
法案の成立に先立ち、ウクライナ正教会の一派は昨年から、クリスマスを新暦の12月25日に変更することを認めていた。同国の主要教会のひとつ、ギリシャ・カトリック教会も今年2月、クリスマスを12月25日に変更すると発表した。
ウクライナ政府が昨年12月に実施した世論調査では、国民の約59%が12月25日への変更を支持していた。
法案はクリスマスのほかにも、宗教上の祝日と重なっていた複数の祝日を変更。建国記念日を7月28日から同15日に、「防衛者の日」を10月14日から同1日に、それぞれ前倒ししている。