レバノンが「バービー」上映を禁止、「同性愛の助長」理由に
(CNN) レバノン政府が映画「バービー」について、同性愛を助長し国家の価値観に反するとして、映画館での上映を禁止した。
国営テレビの9日の報道によると、モハマド・モルタダ文化相は同映画の公開を8月下旬に延期させた後、「道徳的・宗教的価値、およびレバノンの原理」に反するとして、映画館での上映を禁止した。
文化相はさらに、バービーの映画は「性的逸脱と性転換を助長する」と述べた。中東では同性愛が「性的逸脱」と表現されることが多い。
レバノンなど中東諸国では、一部の政治家や政府当局者が反LGBTQの発言を強めている。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスララ氏は7月下旬、宗教行事「アシュラ」の演説の中で、同性愛を「性的背徳」と呼んで糾弾し、同性愛関係をレバノンに対する「脅威」と形容した。
ナスララ氏はその数日前にも動画メッセージの中で、LGBTQに対する蔑視発言を奨励し、LGBTQは罰するべきだと主張していた。
LGBTQの人たちはこの演説の後、ネットで嫌がらせを受けたり殺すと脅されたりするようになったと、人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは伝えている。