ウクライナ特殊部隊、ロシア占領のクリミアに上陸し交戦 当局発表
(CNN) ウクライナ国防省情報総局は24日、同国の特殊部隊がロシアに占領されている南部クリミアの海岸に上陸したと発表した。
情報総局によると、海軍と共同で特別作戦を実行。上陸場所は西部の海岸で、オレニフカとマヤクの集落の近くという。マヤクにはロシア軍の通信技術部隊が駐留し、高度なレーダーシステムが置かれているとされている。
情報総局は「特別作戦の実行中に占領軍の部隊と交戦した。その結果、敵は人的損害を被り、敵の装備も破壊された」と説明した。上陸している間、特殊部隊はウクライナの国旗を掲げたという。
情報総局はまた、特別作戦を映したものとする複数の映像も公開。その中には、特殊部隊の膨張式ボートからロシア軍の戦闘機に向けて対空ミサイルが発射されている様子が映っている。一方で、ロシア国防省は、戦闘機がボートに向けて射撃しているコックピット映像を公開した。
クリミアには、高度なシステムを含め、ロシア軍の大規模な防空とミサイルの拠点がある。ウクライナは23日、同地域の地対空防衛ミサイルシステム「S400」を破壊したと発表していた。
ウクライナは最近、ロシアの兵站(へいたん)機能の混乱を狙ってクリミア半島へのドローン(無人機)攻撃を増やしている。西側諸国の一部からは、こうした攻撃対象の転換について疑問視する声もある。
ロシアのソーシャルメディアの非公式アカウントは、24日の夜明け前にクリミア最西端のタルハンクト岬にあるキャンプ地付近で発砲があったと伝えた。あるチャンネルによると、最初の発砲は午前4時前だったという。
ロシアの著名な軍事ブログ「Wargonzo」は「情報筋によると、ウクライナの工作・偵察グループがタルハンクト岬周辺に上陸し、海岸にあるキャンプを攻撃してオデーサ方面に逃げた」と伝えた。
一方、自称「ドネツク人民共和国(DPR)」の部隊は、ウクライナの破壊工作員が乗る4隻のボートがタルハンクト岬付近で破壊されたと主張。ロシア治安部隊が海上で15~20人からなる破壊工作員を一掃したとしている。