徴兵逃れ汚職で新たな摘発、1人1万ドルの収賄か ウクライナ
(CNN) ウクライナ保安局(SBU)は26日、徴兵事務所などで発覚した汚職捜査の一環として職員4人を新たに拘束したと発表した。
声明によると、4人の中には軍医療委員会の複数の責任者も含まれるとし、徴兵の対象者を除外し、海外へ逃亡できるよう謀ったと主張。金銭を得る見返りに、軍務には医学的に不適格とする架空の文書を作成して徴集兵に渡していたという。
SBUによると、これら不正行為の報奨は1人あたり最大1万米ドル(約146万円)とし、「総額は問題を解決させるのに必要な時間の長さと当事者である徴兵の対象者の経済力次第」で決めていたという。
今回の新たな摘発は首都キーウ、北東部ハルキウ州や南部オデーサ州で実施。ハルキウ州では徴兵事務所の最高責任者が徴集兵となり得る複数の対象者から約30万ドルを違法に得ていたとした。
地元の病院の職員3人もこの違法行為に加担。収賄と引き換えに、徴集兵に「健康上の問題がある」と報告し、兵役の登録から外していたという。
SBUによると、これら容疑者は最大で禁錮10年と財産没収の判決が下される可能性がある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は今月11日、広範な汚職行為が明るみになったとして地方の徴兵事務所などを統括する幹部全員の解任を発表。計112人に対し刑事手続きを進めるとも述べていた。