ニジェール軍事政権、警察にフランス大使追放を指示
(CNN) 7月のクーデターでニジェールの実権を握った軍事政権は8月31日、同国に駐在するフランス大使の査証(ビザ)を取り消し、警察に大使を追放するよう指示したことを明らかにした。大使には先週出国を命じていた。
軍事政権は地元メディアに同国外務省からの書面を公開。大使やその家族のビザ取り消しのほか、大使認証に関わる25日の決定が「取り消し不能」との記述もあった。
シルバン・イッテ大使はニジェール外相との会合に出席を拒否したことを理由に出国を命じられた。ニジェール外務省はフランス政府による国益に反する行為が他にもあったとしている。
軍事政権は31日、イッテ大使は今後「大使館の外交官としての地位に基づく特権や免除を享受できない」とも述べた。
フランス大統領府の報道官は同日、軍事政権の要求を受けても大使は現地にとどまっていると述べた。
フランス外務省はCNNのコメント要請に対し、「ニジェールの大使の認証は正当に選ばれた当局によってのみ行われる」との25日の声明を繰り返した。
フランスはニジェールの軍事政権を承認せず、実権を奪われたバズム大統領を同国で唯一正統な権限を有する人物と認識している。
フランスのマクロン大統領は28日、イッテ大使は軍事政権の設定した出国期限を過ぎてもニジェールを離れないと述べていた。
これまでサヘル地域でフランスの主要なパートナー国だったニジェールには最大1500人のフランス軍が駐留する。