ウクライナ、ロシアによる子どもへの犯罪を捜査 殺人や拷問、性暴力含む3000件超が対象
(CNN) ウクライナ当局は、ロシアによるものとみられる子どもに対する犯罪を捜査するべく、3000件以上の刑事事件を調べている。子どもに対する犯罪には、ウクライナ国内で行われた数十件の拷問などが含まれる。
ウクライナ検察が8月31日に明らかにした。具体的な犯罪の申し立ては子どもに対する殺人、手足などの切断、拉致、強制退去、国外への連れ出し、性暴力、誘拐など。ウクライナ検事総局で子どもの利益保護及び暴力対策局を統括するユリア・ウセンコ氏が地元メディアに明らかにした。
ウセンコ氏によれば、申し立てのあったこれらの犯罪には「しばしば拷問や不法な自由の剝奪(はくだつ)が伴う」。また捜査機関や検察は、そのような犯罪を3200件以上の刑事訴訟手続きの中で記録しているという。
ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、ウクライナ当局や人権団体、国際組織、報道機関はロシアによるものとみられる戦争犯罪と人権侵害に関する膨大な数の証拠を記録してきた。
ロシアはこうした拷問や人権侵害についての非難を繰り返し否定している。
ウセンコ氏によれば、検察は75人の子どもに関して、ロシア軍の手で様々な形態の拷問にかけられたことを記録しているという。
このうち69人は、北部チェルニヒウ州の村にある学校の地下に、複数の成人と一緒に入れられていた。彼らの置かれた状況や受けた扱いは、「拷問に等しい」とウセンコ氏は主張した。
子どもに対する拷問の犯罪は南部ヘルソン州や北東部ハルキウ州でも記録されている。子どもたちはそこで「自由を奪われ、身体的な拷問を受けていた」(ウセンコ氏)
ウセンコ氏によると、ロシア側は一部の子どもたちの拘束理由について、ロシア軍の装備及び兵士の移動に関する情報を広めたためだと主張している。
子どもへの拷問が行われていたとする報告は、ウクライナ側が複数の領土をロシア軍の占領から奪還した後で明るみに出た。
それらは子どもに対する性暴力の申し立て13件を含む。最年少の被害者は4歳の女児だったとウセンコ氏は明らかにした。
ウセンコ氏に対するインタビューの内容について、ロシアは現時点でコメントしていない。