「試しにやってみよう」、ウクライナへ逃亡したロシア軍ヘリのパイロットが当時の心境振り返る
脱出当時、ロシアのSNSテレグラムのある非公式チャンネルは、1機の軍用ヘリMi8がウクライナへ向けて飛行し、中部ポルタバ州に誤って着陸したと伝えていた。
「これまでこんなことは誰もしていなかった。ただ、ここから数を増やしていければいい」とブダノフ氏は話していた。
新たなインタビューの中で、このパイロットはウクライナ侵攻にまつわるロシア側の誤情報にも反論。「事実、ナチスもファシストもここにはいない。現地で起きているのは本当に恥ずべきことだ。殺人が犯され、涙と血が流れている。人々がただ殺し合っているだけだ。自分にこれ以上判断できることはないし、その一端を担いたくもない」と訴えた。
「今起きているのはウクライナ人のジェノサイド(集団殺害)でしかない。ウクライナ人とロシア人両方の。自分の行動の動機は、このような犯罪に加担しないようにすることだった。ウクライナがこの戦争に勝利するのは明らかだ。とにかく国民が団結しているから。以前はこのようなことはなかったが、今は非常に団結している。世界中が彼らを支援しているのは、何よりもまず人の命こそが尊重されるべきだからだ」
パイロットはまた、軍にいる他のロシア人たちにもウクライナへの脱出を強く呼びかけた。
CNNはパイロットの身元を確認出来ていない。ただ独立系のロシアのテレグラムチャンネルは、クズミノフ氏のソーシャルメディアのプロフィルを見つけたと発表。東部軍管区第319独立ヘリコプター連隊所属の攻撃パイロットだと明らかにした。
ウクライナ国防省との強いパイプを持つジャーナリスト、ユーリイ・ブトゥソフ氏は、これに先駆け「当該のヘリには全く損傷がない。この後、装備の詳しい点検を済ませてからウクライナ軍に編入される予定だ」と報じていた。