スーチー氏の健康状態、党が懸念 「適切な医療受けられず」
(CNN) ミャンマーの指導者だったアウンサンスーチー氏(78)率いる国民民主連盟(NLD)は14日、健康状態の悪化が伝えられるスーチー氏について、「適切な医療を受けていない」として懸念を表明した。
NLDはフェイスブックに掲載した声明の中で、スーチー氏について「適切な医療を受けていないことを我々は特に懸念している。(軍事政権は)同氏の命を危険にさらすことを意図して健康的な食事も収容設備も提供していない」と述べ、「(スーチー氏の)健康状態が損なわれているだけでなく、生命が危険にさらされているとすれば、全責任は軍事政権にある」と強調した。
ロイター通信は12日、スーチー氏の英国在住の息子が母の健康状態を「ひどく心配」していると伝えた。スーチー氏はめまいや嘔吐(おうと)の症状を訴え、重い歯周病に苦しんで食べることさえままならない状態にもかかわらず、外部の医師の診察を受けることが許されていないという。
関係者は今月CNNの取材に対し、スーチー氏は歯肉炎を患い、歯の痛みも訴えていたが、その後回復したと語っていた。いつのことだったのかは分かっていない。
ロイター通信は、スーチー氏の息子キム・アリス氏も母親の健康状態を非常に心配していると伝えた/Alishia Abodunde/Reuters
スーチー氏の健康状態をめぐっては、国連や米国なども懸念を表明していた。
スーチー氏は2021年2月に実権を握った軍事政権によってミャンマー指導者の座を追われた。その後不正選挙や収賄などの罪に問われ、22年末の時点で33年の禁錮を言い渡されていた。