宗教儀式狙い2カ所で自爆攻撃、56人死亡 パキスタン
パキスタン・クエッタ(CNN) パキスタンで29日、宗教儀式を行っていた2カ所を狙った自爆攻撃が発生し、少なくとも56人が死亡、数十人が負傷した。儀式の参加者はイスラム教の預言者ムハンマドの誕生日を祝っていたという。警察と地元当局者が明らかにした。
南西部バロチスタン州のマストゥング地区で起きた爆発では少なくとも52人が死亡、50人が負傷した。現場では宗教儀式としての行列が挙行されていた。警察幹部がCNNに明らかにした。
数時間後には北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワル近郊のモスク(イスラム教礼拝所)でも金曜日の礼拝中に爆発が発生。少なくとも4人が死亡し、11人が負傷した。爆発でモスクの屋根が崩落したが、現在モスク内に何人が残っているのかは不明。
2件の爆発について、現時点でいかなるグループからも犯行声明は出ていない。来年1月の総選挙に向けた準備が進むパキスタンは、軍事攻撃が増加する不穏な時期に入っている。
最初の爆発は現地時間の正午前後に発生した。地元住民が共有した動画には、数十人が行列に参加する中で大規模な爆発が起きた様子が映っている。
警察幹部はCNNに対し、爆発が自爆攻撃だったと確認。高位の警察官1人を狙った犯行だとした。この警察官は爆発で死亡した。
重傷者は州都クエッタの病院に搬送された。それ以外の人々はマストゥング地区内の病院で手当てを受けたという。
州の情報相がCNNに明かしたところによれば、犠牲者の遺体も病院に移された。死者数は今後増えることが予想されるとしている。
パキスタンのカカール暫定首相は爆発を強く非難。声明を出して遺族に哀悼の意を表明した。