パキスタンで臓器売買組織を摘発、8人逮捕 数百人から腎臓摘出

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大規模な臓器売買組織を摘発したとして会見を開くパキスタンの当局者ら/From Government of Punjab via X

大規模な臓器売買組織を摘発したとして会見を開くパキスタンの当局者ら/From Government of Punjab via X

イスラマバード(CNN) パキスタンの警察が臓器売買の闇組織を摘発し、数百人の腎臓を摘出したとして8人を逮捕した。

東部パンジャブ州のナクビ州首相が2日に発表したところによると、組織を率いる「ファワド博士」は計328件の腎臓摘出手術を行い、1件につき1000万パキスタンルピー(約520万円)で密売した疑い。手術で麻酔係を務めた人物は自動車整備士とされる。

この組織は病院で患者を集め、同州やカシミールのパキスタン側支配地域で手術をしていた。

ナクビ氏によると、カシミールには腎移植に関する法律がないため、手術には都合がよかったとみられる。同氏はこれまでに3人の死亡例が確認されたと述べたが、当局は未確認。

手術件数も同氏らが確認したケースに限られているため、実際はもっと多いとみられる。一部の患者は手術を受けた時、腎臓が摘出されたことを知らなかったという。

ファワド博士はこれまでに5回逮捕されたが、そのたびに釈放され、手術を再開していた。

警察は2カ月近く前、組織のメンバーにだまされて病気の治療を受けた後、別の医師から腎臓がないことを指摘されたという男性の告白をきっかけに、捜査を開始していた。

ナクビ氏は州警察と共同で、違法な腎移植のオンライン広告を禁止するための法整備を進めているという。

パキスタンにはかつて臓器移植を求める外国人や富裕層が集まり、貧困層が提供する腎臓の売買が横行していた。2007年に臓器売買が禁止され、10年には臓器の摘出や密売への刑が最大で禁錮10年、罰金100万パキスタンルピー(約53万円)と定められたが、その後も売買は続き、違法な腎移植が近年また増えていると報じられていた。

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