「汚職対策を」、米国がウクライナへの圧力強める 一部支援の条件にも
(CNN) 米国がウクライナに対して政府内の汚職対策にさらに取り組むよう求めており、ある種の米国の経済的な支援はウクライナの制度改革の進捗(しんちょく)に連動することを示す通知を過去数週間に複数回にわたって送っていることがわかった。複数の米当局者が明らかにした。
バイデン米政権によるウクライナに対する軍事支援への関与は依然として衰えていない。しかし、当局者は最近、ウクライナが汚職対策への取り組みを強めなければ、米国の他の形態の援助が危うくなる可能性があると伝えていた。
米議会は、バイデン政権が求めているウクライナに対する240億ドルの追加の資金援助について、まだ承認していない。一部の共和党議員は、しっかりとした監視や条件なしに多額の資金を供与することに対して警戒を示している。
事情に詳しい米当局者はCNNの取材に対し、「ウクライナの人々へのメッセージは常に、もしこうした資金が不正流用されれば、米国からウクライナに対する全ての援助が危うくなるというものだ」と述べた。
米国務省は晩夏にウクライナに対して正式な外交文書を送付した。米国はその中で、ウクライナが直接的な財政支援を受け取り続けるため、さまざまな汚職防止や財政の透明化に関する努力を継続することを期待していると伝えた。事情に詳しい当局者3人が明らかにした。この外交文書についてはこれまで報道されていなかった。
米議会調査局(CRS)によれば、米国はロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、ウクライナに対して、230億ドル以上の直接的な財政支援を行っている。こうした資金は軍事支援とは別で、ウクライナが救急隊や医療、教育などの国民に不可欠なサービスを提供するために使われる。こうした資金は米国際開発局(USAID)から世界銀行を通じて、ウクライナ財務省に支払われる。