「どこも行く所がない」 イスラエル軍が激しい報復、恐怖に閉ざされたパレスチナ民間人
インターネット接続も途切れがちになった。
ガザはほぼ17年にわたり、世界からほぼ完全に切り離されてきた。
2007年以来、ハマスが実効支配するガザは、エジプトとイスラエルに包囲され、空と海も封鎖されている。人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチはガザを「世界最大の天井のない監獄」と形容した。
イスラエル軍が05年に同地から撤退した後、ガザは何度もイスラエルの攻撃を受けてきた、イスラエルと、ハマスや武装組織「イスラム聖戦」のようなパレスチナ勢力の間では衝突が頻発している。
イスラエル軍報道官は8日、ガザでハマスが使っていたとする高層ビル少なくとも10棟を破壊したと述べ、イスラエル兵数万人がガザで活動していると語った。
イスラエル軍は8日、ガザ制圧に照準を合わせると表明し、民間人に対してイスラエルとの境界に近い住宅地から即刻避難するよう促した。
しかし住民がガザを脱出できる道はほとんどない。検問所は、エジプトに通じる厳重警戒のラファ検問所を除き、全て封鎖されている。
ガザ住民のハニ・エルバワブさん(75)は、一家4人で空爆を恐れて一晩中眠れなかったと語る。隣接する高層ビルが夜間、イスラエルの空爆を受けてエルバワブさんの自宅のあるビルの上に崩れ落ち、一家は住む家を失った。
「どうすればいいのか分からない」と話すエルバワブさん。今は路上で暮らし、妻は知人宅に身を寄せた。
ガザのパレスチナ人は、いつ自宅が爆撃されるか分からない状況の中、「パニックと恐怖」の中で暮らしているとエルバワブさんは言う。「私はただ、子どもたちと一緒に住む家が欲しい。ただシェルターが欲しい」
それでもハマスがイスラエルを攻撃したことに悔いはないという。「いつも私たちを攻撃するのは彼ら(イスラエル)の方だ」「今回は(ハマスが)進入した」とエルバワブさんは語った。