イスラエルの集落で住民虐殺か 取材班が現地入り、焼け跡に遺体も
(CNN) イスラム組織「ハマス」の攻撃を受けたイスラエル南部のキブツ(農業共同体)クファルアザに10日、CNNなど外国の取材班が入った。イスラエル軍によると、ここでは女性や幼児、高齢者らが虐殺された。焼け跡には住民やハマス戦闘員らの遺体が横たわっていた。
取材班を先導したイスラエル軍の部隊は、民家を1軒ずつ回って遺体を収容し、トラックに積み込んでいた。
ハマスは7日、イスラエル側の複数の集落に越境攻撃を仕掛けた。クファルアザもそのひとつだ。
軍将校はCNNに、ハマスは女性や子どもらを過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のような手口で容赦なく虐殺したと語った。
軍は死者の数を確認できていない。殺害された状況など、詳細も今のところ不明だ。
クファルアザの民家は略奪されて放火され、地面には遺体とともに壊れた家具やマットレス、アクセサリー、不発弾が散乱していた。
クファルアザの焼け落ちた建物=イスラエル南部/ Muhammad Darwish/CNN
軍将校はCNNとのインタビューで、「40年間のキャリアで見たことも、想像したこともない光景だ」と語った。
イスラエル軍はこの数時間前、クファルアザなどハマスが侵入した地域を制圧したばかりだった。同将校によれば、兵士らは丸2日、路上や周辺の集落で次々に襲い掛かるハマス戦闘員と戦い続けた。完全武装の戦闘員らはアパートや部屋を順に回って、寝室の乳児や父母らを殺害したという。