コーヒー栽培で国立公園を再生、モザンビークの取り組み
ゴロンゴーザ・コーヒープロジェクトは営利目的のベンチャーだが、モリーナ氏には一つの確信がある。それは「利益目的の生産は持続しない」ということだ。モリーナ氏は、森林再生やコミュニティーの参加など、利益の追求以外の動機が不可欠と考えている。
特にゴロンゴーザ国立公園では森林再生の必要性が高い。同国立公園は、自然災害、人間の紛争、開発による劣化が深刻で、そこに生息する野生動物にも影響を及ぼしている。
ゴロンゴーザ山に生息するピグミーカメレオンなど、この地域固有の生物も生息地破壊の脅威にさらされており、自然環境の再生・保護は公園の生物多様性の保護にも役立つ。
児童の教育にも寄与
コーヒー販売の利益の一部は、同国立公園内の学校の建設や教師の研修に充てられている。そしてこれらの学校の多くは、地元の少女たちに安全な場所を提供し、学業を修了するよう促し、児童婚を防ぐことに重点が置かれている。
また放課後のプログラムも提供されており、少女たちに自分たちが住んでいる生態系を尊重するよう教えるだけでなく、遊ぶ時間も提供している。以前は、少女たちは家事をするために放課後すぐに帰宅していたため、遊ぶ時間がなかった。
ゴロンゴーザ国立公園の広報責任者、バスコ・ガランテ氏は、同国立公園の復興は、アフリカ最大の野生生物の復元の成功例の一つと考えている。
またガランテ氏は、コーヒーの生産が公園の復興に寄与しているとする一方、コーヒーの購入者も、公園の再生・保護に貢献し、雇用を生み出し、住民に医療、研修、教育を提供している同国立公園の自己持続システムの一部になっていると付け加えた。