独大統領、植民地時代の残虐行為の「許し」求める タンザニア
(CNN) ドイツのシュタインマイヤー大統領は1日、訪問先の東アフリカ・タンザニアで、ドイツ軍が関与した植民地時代の虐殺行為について謝罪した。
3日間の日程でタンザニアを訪問しているシュタインマイヤー氏は、地元の戦争の英雄であるソンゲア・ムバノの子孫に対し、「ドイツ大統領として、ドイツ人があなたがたの祖先にしたことに対して許しを請いたい」と述べた。
ムバノは、1900年代初頭に「マジマジ反乱」として知られるドイツに対する反乱を起こしたことで、数十人の戦士とともに絞首刑となり、斬首された。
このときの反乱で、先住民の約3分の1にあたる30万人が殺害されたとみられている。この反乱は、ドイツの入植者による地元民への残忍な弾圧が引き金となった。
ドイツ大統領府が提供した演説の記録によれば、シュタインマイヤー氏はマジマジ博物館で、子孫らに対し、「この残虐な行為は多くの世代に傷跡を残した」と述べた。
シュタインマイヤー氏は、植民地時代のドイツ軍の兵士がタンザニアの人々に対して行ったことについて「恥じている」としたが、補償については言及しなかった。
シュタインマイヤー氏の発言をめぐってはSNSで反応がみられたが、ある投稿者は「謝罪では不十分だ、ドイツは補償を支払うべきだ」と指摘した。
ドイツはこれまでにも植民地時代のアフリカでの残虐行為を認めている。
ドイツは2021年、ナミビアでの植民地時代のジェノサイド(集団殺害)をめぐり、犠牲者の子孫の支援のために11億ユーロ(現在のレートで約1700億円)の支援を行うと発表していた。ナミビアは100年以上前、ドイツの植民地だった。