アイスランドで火山噴火の可能性、沿岸部の町に避難呼びかけ
(CNN) アイスランド南西部のレイキャネス半島で火山噴火の可能性が高まったとして当局が非常事態を宣言し、沿岸部の町グリンダビークの住民3000人あまりに避難を呼びかけた。
気象当局などは、12日に状況の変化が観測され、マグマが地表近くへ動いている兆候の可能性があると発表。続いて13日、グリンダビークの3.5キロ北東部でマグマが噴出する可能性が大きいと発表した。
アイスランドの防災当局は10日、「少なくともベストマンナエイヤルの噴火以来、これまで経験したことのないような」出来事に直面しているとの見方を示した。1973年のベストマンナエイヤル噴火は事前に警報が出されることなく始まり、住宅400棟が破壊された。
防災当局は11日、現地の観測データに基づき、全長15キロに及ぶマグマ回廊がグリンダビークの北西部から大西洋まで広がっていると指摘した。
マグマは地表に噴出すると噴火が起こり、溶岩になる。専門家によると、海上で噴火した場合の方が爆発力は大きいものの、地上で噴火すればグリンダビークに大きな危険が及ぶ。
英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)のビル・マクガイア名誉教授は、噴火の規模を予測するのは難しいとした上で、「グリンダビークは新たな亀裂ができた場所に非常に近く、生存が保証されているとは言い難い。全てはマグマが地表に到達する場所次第だが、この町の住民にとって良い状況ではない」とした。
グリンダビークは首都レイキャビクのおよそ70キロ南西に位置する。レイキャビクに避難命令は出されておらず、噴火の影響は受けないと思われる。
ただ、アイスランド唯一の国際空港はグリンダビークから30キロほどしか離れていない。