イスラエル軍、ガザのシファ病院で作戦実行
(CNN) イスラエル国防軍は、パレスチナ自治区ガザ地区で最大のシファ病院で「精密かつ照準を絞った作戦」を実行していると発表した。病院内にいる記者は、イスラエルの戦車が病院の敷地内に侵入したと伝えている。
パレスチナ自治政府が運営する通信社パレスチナニュース情報局(WAFA)のカデル・ザアヌーン記者は「戦車が銃口を病院に向けているのが見える。病院の(建物の)中に兵士がいるのかどうかは分からない。だが敷地内には兵士と戦車がいる」とCNNに語った。
病院の庭をはさんで銃撃戦があり、建物のうち1棟は窓ガラスが何枚か割れているという。
シファ病院はイスラエル軍の攻撃で周辺の道路が破壊され、燃料も枯渇してほとんど機能しなくなっていた。
病院の敷地内には数千人が避難している。医師たちはろうそくの明かりを頼りに限られた措置を行い、早産児の命を守ろうと必死の努力を続けている。
イスラエル国防軍は、シファ病院の「特定エリア」で作戦を実行していると発表し、イスラム組織ハマスが軍事目的で同病院を利用し続けていると改めて主張した。ハマスや病院関係者はこれを繰り返し否定している。
シファ病院のカレド・アブ・サムラ医師は、イスラエルの作戦が始まる30分前に通告を受けたと語り、「窓とバルコニーには近づかないよう指示された。装甲車の音が聞こえる。病院の入り口のすぐ近くまで来ている」と伝えた。
病院からの直近の報告によると、シファ病院内にはまだ数百人のスタッフや患者がいるほか、イスラエルの空爆や地上侵攻を逃れて数千人が避難している。
イスラエル側は声明の中で「ガザの地上作戦はハマスを打ち負かし、人質を救出するために実行している。イスラエルの戦争の相手はハマスであり、ガザの民間人ではない」と強調した。