男たちが懐中電灯で地下を照らすと、はしごがかけられた深い縦穴が見える。コンクリートの壁には赤いペンキで「隠されたものははるかに悪い」と書かれていた。
攻撃の映像は途切れることなく100分間記録され、攻撃前から始まってカメラが止まるまで続いていた。CNNは映像の撮影場所を特定し、攻撃の様子を記録したほかの映像と一致することを確認した。
集団が最初の境界フェンスを通過すると、カメラを装着した男は何度も「右へ行け!」と叫んだ。男は目的地を知っている様子で、ハマスが仕掛けた同時攻撃の計画性と連携性を物語っていた。
2分もたたないうちに、集団は2番目の警備フェンスを突破。イスラエルに入ってキブツを目指し、バイク集団に交じって畑の間の未舗装路を突き進んだ。男たちの多くがAK-47ライフル銃を持ち、ロケット推進式の擲弾(てきだん)を背中に下げている者もいた。
映像開始から17分、ピックアップトラックが止まり、男は遠くに見えるイスラエルの建物を狙って空き地ごしに最初の銃撃を始めた。命中したかどうかは分からない。数分間、集団は動きを止め、再編成した様子だった。1人の男が全員に対し、何もない所を撃って弾を無駄にするなと叫んだ。
男たちがここまで来られたことを神に感謝し、イスラエル兵はどこだといぶかしむ場面もあった。イスラエルに侵入後も、これまでのところ実質的に妨げられることはなかった。
ボディーカメラを装着した男はイスラエルの町キスフィム近郊で車を降り、集団で畑を前進。ロケット推進式擲弾の発射準備をしている男を追い越す場面も映っている。集団は互いをかばいながら前進し、移動しながら銃撃を続けた。
ボディーカメラを装着した男は地面に倒れたイスラエル兵を見つけると突進し、至近距離から何度も発砲して兵士を殺害した。
男が兵士のライフル銃を奪い、カメラを自分の方に向けて歓声を上げると、集まった集団も歓声に加わった。