トリュフ犬30頭が毒殺被害 巨額が動く業界の裏事情 イタリア
捜査は現在も続いているが、これまでのところ、犬の毒殺をめぐる逮捕者は1人もいない。
地元の動物保護団体によると、自分の犬が殺されても被害を届け出る飼い主がほとんどいないことが一因だという。警察によれば、飼い主が規則に従って犬の登録やマイクロチップなどの手続きを適切に行っていなかった可能性や、ハンターに義務付けられた犬の口輪を着けさせていなかった可能性もある。
報復を恐れて口を閉ざすこともあると話すのは、3代にわたってトリュフ農家を営むイタリア国家トリュフハンター協会代表のリカルド・ジェルマーニ氏。トリュフ狩りの世界では、タイヤをパンクさせたりトラックを爆破したりすることさえ珍しくないと打ち明ける。
地元検察によると、今回殺された30頭の犬の飼い主は、これまでのところ1人も被害を届け出ていない。動物保護団体のAIDAAが検察に行動を要請するとともに、ハンターたちにも沈黙を破るよう呼びかけた。
「我々は犬たちの健康を懸念している。30頭の死が、まるでトリュフハンターだけの問題であるかのように見過ごされることがあってはならない」。AIDAAは地元のハンター協会に宛てた書簡でそう訴えている。