ベネチア大運河が緑色に 環境団体が薬品の投入認める
ローマ(CNN) イタリア北東部の観光都市ベネチアを流れるカナル・グランデ(大運河)の水が鮮やかな緑色に染まり、国際環境団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)」が橋から薬品を投げ込んだことを認めた。
現場には「政府が話す間、私たちは一本でぶら下がっている」と書いた横断幕が掲げられた。
XRはフェイスブックに投稿した画像に添えて、「私たちの未来が危ういことは分かっているのに、その未来を守る対策は何も講じられていない」と主張。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)に対する抗議行動だと説明し、COP28は「石油会社の最高経営責任者(CEO)が議長を務め、招待された化石燃料ロビイスト2400人の包囲下で開かれている」と批判した。
XRのメンバーはこれまでも気候変動問題をめぐり、名画に体を接着したり、銀行の窓ガラスを割ったりする抗議行動を展開して注目を浴びてきた。
ベネチアのブルニャーロ市長は声明を通し、「自称環境活動家、というより環境破壊者の危険な芸当」のせいで大運河の公共交通サービスや航行がストップし、水質管理や橋脚の点検が必要になったと主張。XRに対し、実効性のある処罰が下されることを望むと述べた。
ベネチアの運河では5月にも、XRが使ったのと同じ工事用の試薬が混入するミスで、水が緑色に染まる騒ぎが起きていた。