オーストラリアを襲う猛暑、異常に早いサイクロン到来
(CNN) オーストラリア北部沖で熱帯サイクロンが急激に勢力を強めている。同国は週末にかけて各地で猛暑に見舞われた。
米合同台風警報センターによると、熱帯サイクロン「ジャスパー」は8日、勢力が5段階で上から2番目に強い「カテゴリー4」のハリケーン並みに発達。最大勢力の「カテゴリー5」に発達する可能性もあるとしていた。
米国立ハリケーンセンターによると、これほど勢力が強い熱帯サイクロンがオーストラリア沖で発生するのは、1900年に観測を始めて以来、最も早かった。
サイクロンは現地時間の12日未明にも、38メートルを超す風速で北東部のケアンズ(人口25万人)付近に上陸する可能性がある。ただし、進路が変わる可能性もある。
サイクロンが異常に早く到来したのは、太平洋の赤道沿いで発生する気象現象エルニーニョの影響だった。
一方、ニューサウスウェールズ州(人口約800万人)など複数の州や準州は猛暑に警戒を呼びかけている。
同州の州都シドニーの9日の気温はオーストラリア気象庁の予想で40度に到達。8日には市内の一部の学校が休校を強いられ、森林火災の危険が大きい地域ではたき火が禁止された。
南オーストラリア州では8日、壊滅的な火災に対する最高レベルの警戒が出された。ニューサウスウェールズ、ビクトリアの両州も大規模火災に対する警戒を強めている。
オーストラリアは気候変動の影響で、猛暑や豪雨、壊滅的な森林火災に見舞われている。
今年の冬の気温は1910年からの観測史上、最高を記録。9月に開かれたシドニーマラソンでは熱波のためにランナー20人以上が病院に運ばれた。スキー場は雪不足のために閉鎖されている。