ハマス指導者、10月7日の攻撃時にトルコ滞在か 高官「可能性はある」
(CNN) トルコのクルチ大統領顧問(外交政策・安全保障担当)は15日までに、イスラム組織ハマスの幹部の滞在を受け入れている自国の判断を擁護した。トルコがハマスと関与しているのは「和平をもたらすため」だと説明した。
ハマスの構成員はトルコとの間を自由に行き来することができ、トルコ国内に恒久拠点を構えている。
ハマスの幹部は長年、定期的にトルコのエルドアン大統領と面会しており、7月には指導者のイスマイル・ハニヤ氏がエルドアン氏と会談した。ハニヤ氏を巡っては、10月7日のイスラエル攻撃時に通常の居場所であるカタールではなく、トルコに滞在していたとの未確認情報がある。
クルチ氏は今回、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘が始まってから初の英語インタビューに応じ、10月7日にハニヤ氏がトルコにいたかは分からないが、「可能性はある」と認めた。
クルチ氏はトルコとハマスの長年のつながりについても擁護した。多くの国はハマスをテロ組織とみなしているが、トルコは異なる立場を取る。
「問題は(ハマスの構成員が)いつどこにいるかではなく、現在の紛争、我々がいま抱えている戦争をどうやって解決するかだ」(クルチ氏)
またクルチ氏はイスラエルに対し、国外にいるハマス指導者の暗殺を誓う国内治安機関の発言を実行に移さないよう警告。トルコ国内での暗殺の試みは「いかなる場合も容認できない」と述べた。
トルコのエルドアン大統領は戦闘開始以来、世界で指導者の中でも特に発言が目立つ。イスラエルのネタニヤフ首相を「ガザの虐殺者」と呼び、戦争犯罪者として国際法廷で裁かれることになると指摘したこともある。
エルドアン氏が大統領、それ以前に首相を務めたここ20年間は、パレスチナの権利を巡るイスラエルとの対立が中心的な課題になってきた。
最近のエルドアン氏は和解を模索する動きも見せており、10月7日の襲撃の1週間前には関係改善に向けネタニヤフ氏と会談していた。