ヒズボラ指導者が警告、イスラエルと戦争勃発なら対応に「制限なし」
(CNN) レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者、ナスララ師は3日、イスラエルがレバノンに戦争を仕掛けた場合、ヒズボラの対応は「無制限」のものになると表明した。首都ベイルートで前日にイスラム組織ハマスの幹部が殺害された件にも触れ、「処罰なしでは済まされない」との認識を示した。
ナスララ師は2020年1月に米軍の空爆で殺害されたイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の死から4年を迎えるのに合わせ、事前に演説を予定していた。
ベイルートではナスララ師の演説に先立ち、ハマスの幹部サレハ・アルーリ氏が殺害された。米当局者はCNNに対し、イスラエルの空爆が原因との見方を示している。
ナスララ師は「これまで、我々は前線で慎重に動いてきた」としつつも、「もしイスラエルがレバノンに戦争を仕掛ければ、我々の対応は無制限のものになる。我々は戦争を恐れていない」と表明した。
イスラエルとヒズボラの間では、昨年10月7日の攻撃やそれに続くイスラエルとハマスの衝突を受けて緊張が高まっており、より広範な地域紛争に飛び火する懸念が出ている。
ナスララ師は「我々と戦争になれば極めて高い代償を支払うことになる」とも述べ、「その時には最後まで戦い抜くことがレバノンの国益になるだろう」と続けた。
アルーリ氏の死については、「昨日の犯罪は大規模で危険なものだった」「対抗措置と処罰なしでは済まされない」などと述べた。
昨年10月7日以前、ナスララ師の公の場での発言は2006年から途絶えていた。06年はレバノンとイスラエルの間で1カ月間の戦闘が発生した年。